さて、弊社がどうしてカーボンブラスターを導入しようと考えたのでしょうか。 それはワコーズのレックスのビフォア、アフターをこの目で見てからでした。 BMW MINI R56 クーパーS 直噴ターボエンジン N14 この車が走行中にチェックエンジンランプ(警告灯)が点灯するということで入庫しました。 症状としては60~100キロ/hくらいでの一定速での走行中に警告灯が点灯する。 しかししばらくすると消える。 というものです。 KTSでのエンジンフォルト診断結果は、ノックコントロール系統の異常という結果でした。 つまり一定速で走行しているときにシリンダー内部でノッキング(異常燃焼)が起こっているのを ノックセンサーが拾い警告灯を点灯させノッキングを止めた という制御が行われたようです。 直噴エンジンの場合一定速で走行するときに燃費をよくするため、シリンダー内に流れ込む気流を調整し(主にポートやピストンの形状) 少ない燃料でも異常燃焼が発生しないようにする「成層燃焼」というモードに切り替わります。 これはインテークポートからの気流の流れがとても重要で、各メーカーが工夫を凝らして気流を作っています。 ところがこの直噴、厄介なことに、構造上インテークポートやバルブ裏に大量のカーボンが堆積して、そのカーボンが正常な気流を作る事を妨害してしまいます。 これにより、ガソリンが希薄な成層燃焼時に必要な気流ができなくなり、異常燃焼を引き起こしてしまうわけです。 たまたま、エンジン警告灯が点灯するほどに悪化していたのですが、気付かない間に燃費の悪化やパワー不足が積みあがっていたはずです。 直噴エンジンのクーパーSにRECS施工しています。 やっとレックスの話です。 これを改善する有力な方法としてワコーズのレックスがあります。 これは、インテークマニホールドから洗浄剤を吸わせながらエンジンをかけておく、という方法でポート回り、バルブ周りにたまったカーボンを取り除くというものです。 当社でも以前から行っておりまして、知名度もあり好評でした。 でも実は今回、このMINIにレックスを約1時間施工してみてその結果のビフォア、アフターのスコープ写真を撮り、驚きましたのでご紹介したいと思います。 まずこれがビフォア写真、マニホールドを完全に外しての作業ではなかったのでカメラが入らずスコープでの写真になりまして、少しうつりが悪いです。 レックス ビフォアー かなりのカーボンですね、実は走行距離はたったの23000キロです。 中古車保証の残っている車だったのでディーラーに相談を持ちかけたんですが、「燃料添加剤を使い続けてください、それでよくなる車もあるので・・・」と、なんとも消極的な対応策。。 中古車保証の会社とも相談しながら燃料添加剤の投入とワコーズのレックスを施工してみることにしました。 これがレックスを1時間行ったアフターの写真です。 レックス アフター ほとんど変わりないですね、ちょっとカーボンが湿気た感じがしてますが、この後、取れていく方向に進んで行くんでしょうか?
もう少し走った後に見てみたいですね。 長時間レックスを行えば、あるいは走行中も少量ずつ行えば綺麗になってくるんでしょうかね? しかし、この大量のカーボンが一気に剥がれる時のデメリットも簡単に想像できますよね、バルブシートに挟まってしまい圧縮不良、触媒に詰まってしまう、などなど。 ということで弊社ではウォルナット・ブラストで行う「カーボンブラスター」を導入しました。 もう間もなくバキュームアダプターが到着します。現在空輸中でアラスカのアンカレッジを出ました (笑) BMWとミニの直噴エンジンに対応したアダプターですが、ワーゲン、アウディーなどの同じような問題を抱えるエンジンにも、今後アダプターを作るか、購入するかで順次対応していきたいと思います。
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日本では三菱のDGIエンジンから始まる直噴エンジン、今では国内外のメーカーが競って開発しています。 もちろん燃費やパワーが優れているからです。 しかしこのエンジンには大きな問題を抱えています。 それはインテークポート、インテークバルブ裏に堆積するカーボンです。 これは一度堆積すると簡単に取れるものではなく腰上分解での掃除かインテークポートに溶剤を溜め込んで溶かして掻き出す、みたいな方法でないと除去できません。 いろいろ調べてみると、国内では大阪の業者さんがドライアイスで除去する方法を開発されている以外、全くと言っていいほどカーボン除去の情報が入ってきません。 ところが国外に目を向けると欧米の業者さんでは当たり前のように Walnut blast でこのカーボンを除去しています。 ちなみに「Walnut blast」 直訳すると「クルミ爆破」という意味になります。 サンドブラストってご存知でしょうか? これは砂(サンド)の粒を高速で吹き付けてガラスなどに文字やイラストを描いた入りする技法です。 これを砂ではなくクルミの固い殻の粒で行うものが Walnut blast (クルミ ブラスト)です。 先ほど当たり前のように海外ではこの方法、と書きましたが、 実は欧米のBMWディーラーでは専用のブラストマシンを持っていて、それでカーボン除去を行っています。 このブラストマシンは、メーカーの専用工具として部品番号まで持っているんです。 ところがこのマシンを弊社の近くのBMW及びミニのディーラーで問い合わせても、所有すらしていません。 なぜ日本のディーラーではこの作業を行わないのでしょうかね? 不思議ですね。 カーボンの堆積は認識してて、しきりにガソリン添加剤を薦めているのにね?! と言うことならと、実は先日このブラストマシンを導入してしまいました! 国内では手に入らないのでもちろん海外からの輸入です。 でもまだ全てそろったわけではないので、まだ稼働していません ^^; 近々BMWとミニ用のアダアプター(これも純正品)が届きますので、それからの稼働となります。
こんなマシンでこんな感じです。 http://redlinespeedworx.com/valve-cleaning-n54n55-bmw-carbon-blasting-service/ クルミブラストが一般的な技術だということは こちら で検索してみてください! ゴルフトゥーラン 1T1 のお客様、変速ショックが大きく、減速時、加速時の変速時に不快な衝撃があるとのことで入庫しました。 この車のミッションは故障の多い09Gの6速オートマチックです。 お客様からの問診で知った症状と09Gの症例が一致しています。 ためしに試運転をしました。 30分以上走行すると加速時の変速でショック、変速中どこにもトルクが伝わらず一瞬ニュートラル状態、減速時にも大きな衝撃(ショック)、さらにバックに入れるとドカンと衝撃。 間違いなく09Gのバルブボディの故障の症状です。 修理方法としては、バルブボディの載せ替えになります。 ネットで情報を検索してみると、そのほかの方法として、ソレノイドの交換、あるいはソレノイドの蓋を切り取ってバルブが動くピストン穴をドリルで調整なんてものありました。 しかし、このタイプは熱膨張率の違う材質のピストンが入っているために、交換してしまうのが間違いない方法です。 ところが、このバルブボディは一般販売してくれない部品、つまり正規ルートではディーラーにしか販売しない部品らしく、入荷不可です。 ということで弊社ではいつものように海外からの直輸入で純正新品のバルブボディーを仕入れました。 国内の純正定価より約10万円くらい安く販売することが可能です! 修理後、約1時間の試運転を行いましたが、絶好調でした。
過去のブログをご覧いただいたお客様で、T1 プジョー206cc のセルモーターの修理の件でご相談をいただきました。 少し遠方の中古車屋さんで購入されたばかりとの事ですが、そのお店があまり輸入車に詳しくないとのことで、当店にご相談されたそうです。 症状は現在は発生していないものの、走行後の温度が上がった状態でセルモーターが回らないことが度々あるとのこと。 冷えれば動き出すものの、動かなくなってからでは困るのでセルモーターの交換をお願いしたいとのご依頼でした。 折角なのでぜひともボッシュのリビルトスターターをご利用いただこうと思ったのですが、またしても国内欠品 ( ´~` ) すぐに海外発注で取り寄せました、輸送会社はUPS注文から3日後には関西空港まで到着していました! 早いですね!! さて、お預かりした時に同時にミッションのシフトショックも訴えられていまして、ネットで調べてこのミッションAL4に多い症状であることも認識されていました。 ちょうど後日入庫予定がある別のお客様の、206/AL4用のソレノイドバルブの現物が有ったのでご覧いただいて、こちらも同時に修理することになりました。 新しくソレノイドを取り寄せましたが、全く同じもので部品番号も同じでした。 作業はエアクリーナー周りを取り外し、横向きのオイルパンを取り外しての作業です。 私はリフトアップして下からの作業のほうがしやすいので、写真も下からの写真です。 ソレノイド交換と同時にバルブボディも分解して中をクリーナーで掃除してあげます。途中ストレーナーがありますのでこれも掃除します。 実はこの時点までオイルを抜かなくても作業できてしまいますが、作業終了時にはドレンからオイルを抜いてこのドレンからオイルを入れます。
ちょうどぴったり合う工具がないので、細いホースを加工して無事オイル交換も完了です。 オイルはMOTUL MULTI-ATFが適合しています。 このオイルは最近日本でも発売されたばかりで、やっとAL4にもMOTULが使えるようになりました。 |